こんにちは。
先週の連続ツィートですが、数週間前、『週刊現代』で米国経済戦略研究所・所長のクライド・プレストウィッツ氏にインタビューした時のコメントでした。
プレストウィッツ氏はレーガン政権時代、中枢におられた元政府高官で、貿易摩擦問題の解決に向けて尽力された方ですが、同時に”ジャパン・バッシング”の筆頭にも挙げられ、日本のメディアから批判の矢を受けていました。 日米の政治に精通しているプレストウィッツ氏は日本批判をしていますが、親日家ゆえの”Tough Love"から。また、『ならずもの国家アメリカ』などの著書を出し、米国批判も行って来られました。
先日の連続ツィートと被るところもありますが、プレストウィッツ氏のお話、是非お読み下さい!

「日本の将来については大きな疑問です。復興するために、チャレンジしなくてはならないことがたくさんあります。しかし、そのチャレンジ以上に大きな問題がある。それは日本の官僚政治です。この災害の背後、災害の原因の一つには腐敗した日本の官僚政治というのがあります。
福島第一事故は、日本の政治がとても長い間腐敗した官僚たちに動かされて来たために起きたことを示す一つの例と言えます。 日本では、官僚は引退後天下りをして東電や東電子会社などにも行っています。東電はリサーチ財団なども作り、それをメディアが利用したり、国会が東電関係の法律や安全規則作りのために利用したりしている。つまり、東電が東電を規制しているような状況なのです。東電は東電のためにリサーチャーにお金を払っている状況がある。東電がどこにでも関係している。みなそれをおかしいと思っているが、それを公然と言うと、排除されてしまうので言えない。メディアも攻撃する。

長い間、日本を見てきて思うのは、世界は日本のことを民主国家だと言っているが、日本はとてもおかしな民主制に動かされているということ。例えば、一般市民はいったい何が起きているかわかっていないし、情報にもアクセスできないし、メディアも本当の意味での調査をしていない。
東電にもMETIにも記者クラブというのがあり、日本のメディアは、政府のプロパガンダを報道しているだけです。官僚は東大出が多いし、記者クラブの記者は慶応や早稲田出が多い。そして彼らはみな団結している。
日本は長い間自民党政権で、最近、民主党政権になりましたが、実際、どの党が政権をとっても全然関係のない国のように見えます。官僚や企業は政権がかわっても前と変わらず同じような動きをしていますからね。私は長い間日本と関わりを持って来ました。その間、首相が6ヶ月ごとに代わったりしましたが、首相は、何が起きているかわかっていなかったし、何の知識もなかった。美しい首相の椅子に座っていただけです。
国会議員にはスタッフがおらず、予算もないので、何が起きているかを調査できない状況がある。つまり、日本の国会は無力なのです。だから日本の本質的課題は、日本の政治システムを再建することです。トランスパランシーがあり、本当の意味で民主的になり、官僚の力を削減して、リスク・テイキングを推奨し、新しい考え方やアイデアを推奨する(つまり、出る杭をいつも打つというのではなく)ようにするのが重要です。

私が悲劇だと思うのは、日本の一般市民はみな強く、ヒーロー的だし、団結しているし、不満も言わないし、やらなくてはならないことをやっていて、とても素晴らしい一方で、日本の官僚エリートやメディアのエリートたち、アカデミック界のエリート、つまり、日本のエリートと呼ばれる人たちが“パラサイト”のように、日本の生き血を吸っていることです。つまり、エリートたちは普通の一般市民を代表していないのです。一般市民を代表して、彼らを保護すべきエリートたちがそうしていない状況がある。エリートたちが守っているのは自分の利益だけです。それが日本の問題です。

アメリカには、元政府関係者で、日本のエリートたちと関わりを持つことで金儲けしているような知識人がいます。彼らは、経済産業省、外務省の官僚や日本のメディアと関わっている人たちです。その中には、アメリカのシンクタンクで働いている人もいる。彼らもまた日本のエリートと似たようなものです。日本の問題の一部をなしていると言える。これらのシンクタンクは日本企業からもお金をもらっている。東電も寄付していると思います。日本の法人や企業、メディアはアメリカにお金を使い、アメリカ人に、日本のエリートたちの考えが正しいのだと推奨しているわけです。彼らはアメリカ議会に行って証言したりもしていますが、これは、言い換えるならば、東電の人たちがアメリカ議会に行って証言しているのと何ら変わりありません。つまり、東電がどこにもかしこにもいるということです。

日本の腐敗した政治システムは全部日本が作ったものではない。大部分はアメリカに作られたものであり、それはアメリカにサポートされ、支持されてきました。
日本は長い間、アメリカに依存している国のようなものでした。つまり、日本の外交は、アメリカに左右されて来た。植民地とまではいかないが、完全独立国とは言えなかった。アメリカには、日本をアメリカに依存している国のままにしておきたいと考えている人たちがいる。アメリカが日本を管理しておく体制にしておきたいと考えている。つまり、彼らは日本の腐敗した政治システムを維持しておきたいのです。

私は、日本を真の友達だと思っています。日本から何のお金ももらっていないし、日本のエリートシステムともコネクションがない。アメリカは日本の政策をコントロールするのを止めるべきだと考えています。日本が米軍基地に撤退してもらいたいのなら、そうすればいいと思う。アメリカは米軍基地を閉鎖すべきだ。日本がしたいようにすればいいのです。しかし、それに反対するアメリカ人たちがいる。彼らは米軍基地を維持し続けたいと考えています。日本は太平洋での重要国だと言って。つまり、日本は、アメリカにとって重要な軍事的ツールだと捉えているのです。
『週刊現代』は、日本のエリートシステムの一部でしょうか? 朝日や日経とは違うでしょうね? 独立した自由なメディアであることを祈ります。

今回の災害は、日本にとっては経済的にはいい機会になると思います。もちろん、経済再建は必要ですが、災害後の建設事業は職を生み出すでしょう。本質的な政策を考え直すチャンスだと思います。
現在の日本の危機は、発展へのエネルギーになると思います。また、風力発電や太陽光発電などの代替エネルギー技術を開発するいい機会だと思います。そういう意味においては、私は日本の未来は楽観視しています。
アメリカ人の政府関係者の中には、確かに、日本は終わったと考えている人もいますが、日本は歴史が長く、素晴らしい文化もあるし、それらが死んでしまうことはないでしょう。
ただ、私は前にも述べたように、日本の政治システムについては批判的です。しかし、新政党を作り、新リーダーを選び、新憲法を作って、国民一人一人がパワーを持てば、政治システムを変えていくこともできると思います。しかし、今の政治システムが続いて、チェンジすることがないのであれば、それは悲劇でしょう。
先日、日本のGDPが年率3.7%落ちました。地震や津波、事故のため工場が閉鎖し、供給チェーンに影響が出たからでしょうが、それは、一時的なものでまた回復すると思います。その点については心配していません。

ただ、アメリカは今、日本より中国を見ていることは確かです。世界中が中国に注目している。いわゆる“ジャパン・パッシング(Japan Passing)”が起きています。中国にはビジネスチャンスがあると考えている人が多い。日本もその点では改革しなくてはならないところがあります。
中国は共産党政権だし、民主制もないですが、多くの点で、中国は、日本以上に、外国企業にビジネスしやすい機会を与えているのです。外国企業が土地に投資したり、中国企業を買収したり、中国人を雇用したりなどの投資しやすい環境がある。日本と比べると、中国はもっとオープンな社会なので、アウトサイダーが溶け込み易いのです。アウトサイダーを進んで受け入れている。日本社会が高齢化している現状を考えると、日本はアウトサイダーをもっと受け入れるようにすべきだと思います。移民やゲストワーカーを入れるという形もとれるので、日本はその点でももっとフレクシブルになるべきだと思う。日本が今回の原発事故ですぐに海外に援助を求めなかったのも、閉鎖的システムがあるからでしょう。
それに、アメリカに来る日本人留学生も減っています。世界はどんどんグローバル化していく一方で、日本だけが非グローバル化しているように思えます」

以前にも、何度かプレストウィッツ氏にはインタビューしたのですが、ある時、懇意にされていた京セラの元会長稲森氏のエピソードを話して下さいました。
「京セラの設立者稲盛氏は、若かったし、有名大にも行っていないし、名家出身でもなかった。だから、日本の銀行はお金を貸してくれなかったそうです。ただそれよりもっと大変だったのは、日本では、どの企業も彼の商品を買ってくれなかったこと。しかし、アメリカに来たら、誰も、出身大学や家柄などはきかず、ただ、彼の商品だけを見たといいます。その商品が気に入られたので、彼は大量注文を得ることができた。彼は実際アメリカでビジネスを始めたのです。アメリカ企業が商品を買い出したので、日本企業も少しずつ商品を買い出した。そして、日本でも大きなマーケットシェアを掴むようになった。そんな稲盛氏が、ある時、私に言った言葉が忘れられません。
日本は海外に対して閉鎖的なのではない。日本は日本人に対して閉鎖的なのです
という言葉です。それはポイントを突いていると思います」

日本は同じ日本人に対しても閉鎖的。
今の原発を取り巻く状況を見ていると、とても納得が行く言葉です。
政治や経済やメディアをはじめとして、いろいろなところに巣食って来た閉鎖的システムが、今回の事故の大きな原因となり、さらには、国民の不信を増幅させて行ったことに疑いの余地はありません。

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2011/06/28(Tue) 13:40 |  |  | 【編集
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2011/06/28(Tue) 12:51 |  |  | 【編集
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2011/06/28(Tue) 12:32 |  |  | 【編集
Re: タイトルなし
正直、今は政権争い、内輪もめをする時ではないと思いますね。
それ以上に、今は解決しなければならない問題が山積しているはず。
次から次へと政権が変わって行きますが、そんな状態では世界からの信用はなくなる一方。
一つの政権に、ある程度解決する時間を与えることも必要だと思いますね。

> 日本人の敵は日本人。
> アメリカや中国の脅威もあるかもしれませんが、それな交渉(やっぱり話し合いは大事ですし、そのために勉強なさっている方が多いと信じます)で解決が大前提。それらに文句をいって本質をはぐらかすのはおかしい。アレがいなくなれば、と言う話では進まないのです。土台がおかしいんですから。私たちの。
> まず、日本人に対し異議申し立てをしなくてならないのですよ。日本人ならば。相互不審なんて閉鎖的なさびしいことをするなら面と向かって意識化しなくてはならないのでしょう。
2011/06/27(Mon) 12:02 | URL | makikolove | 【編集
Re: 本当にそうですね
原発を取り巻く現状を見ると、日本は、戦前から変わっていないように感じられます。
米国で取材して思うのですが、今も、どれだけの事実が、東電なり政府なりから公開されているのが疑問ですね。今は、政府が国民に対して、正直になることが必要だと思います。


> 原発で世界に名前を売った福島県に生まれ育ち、今回の人災からは多くの事を学ぶ事ができました。
>
> だからこそ、今回の記事については、心底そう思います。
> これほど未熟な人達が、国政や地方の政治を行っていたのかと気づきました。
> しかも、情報統制や行政の対応など、今は太平洋戦争中ですか? と思うほどです。
> 今でも、チラシなどでの放射線関連記事は厳しく規制され、当社のチラシ作成にも影響が出ています。
>
> 今回の原発人災のばたばたを経験して、私は国籍を変更したくなりました。
> 「留学は大人になってから自分の甲斐性でしなさい。」と伝えていた子供達には、「今から海外に留学していいよ。」と、考え方が変わりました。
>
> すばらしい人達が生活している日本・すばらしい環境の日本・すばらしい文化の日本ですが、政治に限っては間違いなく五流国です。
> 数年前まで、仕事で中国にたびたび行っていましたが、日本よりはるかに開放的で公平な国家だと気づかされました。
>
> 「エリートたちは普通の一般市民を代表していない。」これは教育と国の仕組みがそうなので、簡単に改善するものではないでしょうね。
> であれば、他国でチャレンジすることのほうが大切だと本気思っています。
>
>
> LOVE YOU なんちって。
2011/06/27(Mon) 11:57 | URL | makikolove | 【編集
日本人の敵は日本人。
アメリカや中国の脅威もあるかもしれませんが、それな交渉(やっぱり話し合いは大事ですし、そのために勉強なさっている方が多いと信じます)で解決が大前提。それらに文句をいって本質をはぐらかすのはおかしい。アレがいなくなれば、と言う話では進まないのです。土台がおかしいんですから。私たちの。
まず、日本人に対し異議申し立てをしなくてならないのですよ。日本人ならば。相互不審なんて閉鎖的なさびしいことをするなら面と向かって意識化しなくてはならないのでしょう。
2011/06/23(Thu) 05:21 | URL | akane | 【編集
本当にそうですね
原発で世界に名前を売った福島県に生まれ育ち、今回の人災からは多くの事を学ぶ事ができました。

だからこそ、今回の記事については、心底そう思います。
これほど未熟な人達が、国政や地方の政治を行っていたのかと気づきました。
しかも、情報統制や行政の対応など、今は太平洋戦争中ですか? と思うほどです。
今でも、チラシなどでの放射線関連記事は厳しく規制され、当社のチラシ作成にも影響が出ています。

今回の原発人災のばたばたを経験して、私は国籍を変更したくなりました。
「留学は大人になってから自分の甲斐性でしなさい。」と伝えていた子供達には、「今から海外に留学していいよ。」と、考え方が変わりました。

すばらしい人達が生活している日本・すばらしい環境の日本・すばらしい文化の日本ですが、政治に限っては間違いなく五流国です。
数年前まで、仕事で中国にたびたび行っていましたが、日本よりはるかに開放的で公平な国家だと気づかされました。

「エリートたちは普通の一般市民を代表していない。」これは教育と国の仕組みがそうなので、簡単に改善するものではないでしょうね。
であれば、他国でチャレンジすることのほうが大切だと本気思っています。


LOVE YOU なんちって。
2011/06/22(Wed) 19:57 | URL | 南條 浩 | 【編集
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